LIFE加算（科学的介護推進体制加算）とは、2021年度の介護報酬改定で新たに設けられた加算です。
加算の要件には「LIFE（科学的介護情報システム）」の活用等が含まれています。
加算の要件は大きく二種類あり、一つは利用者ごとの心身に関する介護の情報をLIFEに送付すること、もう一つはLIFEからの情報を活用して介護サービスの見直しを実施するなどLIFEのフィードバック情報を活用していることです。
そもそもLIFEとは、介護に関わる情報を一元的に収集、共有、活用するためのデータベースであり、科学的介護を実現するために構築されたものです。
そして科学的介護とは、信頼に足る根拠に基づいた介護サービスを提供するための取り組みのことを言います。
科学的介護は厚生労働省が推進しており、LIFEを有効に活用するためにはより多くの介護事業者からの情報を収集・蓄積していくことが必要なため、LIFE加算を導入することで、介護に関わる事業者がLIFEを活用するメリットを用意したのです。
しかし現状としては、各事業所のLIFEへの登録は徐々に進んできていますが、算定状況はあまり芳しくありません。
とりわけ小規模事業者の算定があまり進んでいない実情があります。
これはLIFEの運用にあたっては、単純に職員の負担が増えたという負の側面の影響も無視できません。
LIFEの運用は始まったばかりであり、現段階では有効なフィードバックを受けられるほどのデータが蓄積されていないため、今後の科学的介護の実践においては課題は多くあるのが現状です。